2024.12.02
おはようございます。
女将の竹内です。
麓ではまだ秋の気配が残っていますが、峩々温泉は雪となり、今年初めて雪を見ました、とお客様とお話ししながら過ごした週末でした。
代々宿を営んでいる最大のメリットの一つは、この土地に暮らしてきたことで天候と地形をよく理解し、備える力が日常として身についているかどうかがあります。
この冬の入り口の時期、雪の振り始めは、何かと大変です。温泉のメンテナンスも、暖房のメンテナンスも、車のメンテナンスも早めに準備、確認をしますが、必ず不具合が出るので微調節の日数も確保しなければなりません。
特に峩々は、冬に設備の不具合があっても修理、修繕が吹雪で出来ない、道路も4WDかタイヤチェーンがないと行けない、という業者さん泣かせな立地のため、宿の運営は無事に冬を越えることが何よりの優先順位一位で大前提となっています。峩々温泉は渓谷沿いに宿があるため、山からの吹き下ろしの風が強く吹き、日照時間も短いです。今の時期は9〜14時位が天気が安定している時間帯ですが、あと半月もすると、天気が安定している時間は10〜13時頃までとなり、冬山の厳しさが身に染みる厳冬期となります。
当然ながら、この厳しさを1番理解し、備える力を誰よりも身につけているのは主人で、主人の前は5代目の義父(ちち)で、その前は4代目おじいちゃんで、、と確かに受け継いでいると感じます。
主人は、優先順位の高い自分の仕事はリスクマネイジメントと言います。そして、何かこおってから対処するのではなく、何もこおさせないようにするんだ、と言います。その言葉は5代目則子女将も私によく言う言葉で、何も起こらないようにする、何も起こさせない、という考え方は、私は初めの頃は目から鱗でした。この言葉が峩々に暮らしてきた人達のリスクマネジメント力そのものだと今は思います。
子供達にもここでの暮らしを肌で感じてほしいと思って毎日を過ごしています。週末は元気にソリ遊びをしていましたが、寒さに負けず外で遊ぶ力はすでにあるようです。
寒く厳しい中に少し覗かせる太陽のあたたかさの有り難みを感じ、忍耐強いと言われる東北人の気質が生まれたというような事が言われますが、本当にそうだと感じます。心身ともに無事に寒く長い冬を乗り切り、春の桜をみんなで眺めることがこれからのモチベーションです。